日経新聞によると、日本の国際収支統計における知的財産等使用料の黒字額は、この20年間で21倍に増えたとのことです。
ただ、内容を見ると素直に喜べない部分もあります。
この使用料は、「産業財産権等(特許権等)」と「著作権等」の収支の2つに分類されますが、後者は赤字。
また、産業別に見ても自動車製造業46%、医薬品製造業19%と一定の業種に限られている印象です。
また、自動車製造業の場合、日本で開発した親会社の技術を海外子会社が使う「親子会社取引」が87%を占め、外部企業からの収入は伸び悩んでいるとのことです。
日本では、イノベーション拠点税制(日本版イノベーション・ボックス税制)が、令和7年4月から導入されています。
これは、日本を開発拠点とする「立地競争力」を強化し、「無形資産への投資」を促進するため、国内で自ら行う研究開発により生じた知財収入に対する優遇税制です。
青色申告法人が、令和7年4月から令和14年3月までの間(7年間)に開始する各事業年度において、特許権等譲渡取引を行った場合には、その特許権譲渡取引等に係る所得金額を基礎として計算した金額の合計額の30%に相当する金額を損金算入(所得控除)ができます。
対象となる「特許権等譲渡取引」とは、次のものをいいます。
取引 | 取引相手 |
特定特許権等の譲渡 | 居住者・内国法人(関連者を除く) |
特定特許権等の貸付け(ライセンス所得) | 他の者(関連者を除く) |