100%の資本関係がある内国法人グループの間で行われる一定の取引に適用される「グループ法人税制」。
大企業ばかりでなく、中小企業でも適用があります。
グループの法人企業の間では、固定資産を帳簿価額で譲渡するケースがありますが、この場合、「グループ法人税制」に注意が必要です。
まず、譲渡する固定資産が簿価1,000万円以上の一定の資産(譲渡損益調整資産)である場合には、「譲渡損益の繰延べ」の規定が適用され、損益(時価-簿価)が繰延べられます。
また、「譲渡対価」が「時価」よりも低い場合(低廉譲渡)では、寄附金が認識されます。
100%グループ内で生じた寄附金は、全額が損金不算入とされます(個人による完全支配関係の場合には適用なし)。
<譲渡損益調整資産を低額譲渡した場合>
| 譲渡法人 | ①時価による譲渡利益計上 ②譲渡損益の繰延べ ③寄附金の認容(認識) ④寄附金の損金不算入 |
| 譲受法人 | ①受贈益の計上 ②受贈益の益金不算入 |
内国法人G1社が、100%グループ関係にある内国法人G2社に対して、保有する土地(簿価80・時価100)を簿価で譲渡した場合のG1社の処理を考えてみましょう。
<G1社の会計上の考え方>